【ゲームレビュー】Potion Permit | 嫌われ薬師からの大逆転!ぎゅっと遊べる良作スローライフ(約44時間プレイ)

【ゲームレビュー】Potion Permit

次の新作ゲームが出るまでのつなぎにと軽い気持ちで手を出したのですが、気づけば村中を夢中で駆け回り、約44時間でプラチナトロフィーまで遊び尽くしていました。
「牧場物語やルーンファクトリーのような生活系RPGが大好きだけど、最近の大作はボリュームがありすぎてちょっと気後れ……」という方に、まさにジャストサイズで刺さる一作です。
嫌われ者から始まる村人たちとのドラマ、かわいいドット絵、そして中毒性のある素材集めと調合のサイクルがぎゅっと詰まっていて、定価でもお釣りが来るレベルで楽しめました!

項目点数
没入感17/25
システム12/25
やり込み要素16/25
コスパ23/25
総合68/100

基本情報

タイトルPotion Permit(ポーション パーミット)
発売日2023年2月9日
開発元MassHive Media
定価1,980円(※セール時1,386円で購入)
対応機種PS5 / PS4 / Nintendo Switch / PC / Xbox / iOS / Android
日本語対応対応
クリアまでのプレイ時間約44時間(メインストーリークリア・プラチナ取得)

どんなゲーム?

『Potion Permit』は、大都会から閉鎖的な田舎の村「ムーンベリー」へと派遣された新米薬師となり、病に苦しむ住民たちを治療しながら村の復興を目指すスローライフRPGです。

クリニックに体調を崩した村人が運び込まれてくる様子

ゲームの基本的なルーティンはとても明快です。
朝起きると、クリニックに体調を崩した村人が運び込まれてくることがあります。
まずは患者の悪い部分を特定して病状を診断し、治療に必要なポーションを作るために村の外へ素材集めに向かいます。
採取した植物や鉱石、モンスターから手に入れた素材を使って大釜で薬を調合し、無事に患者へ投薬できれば治療完了となります。

大釜で素材ピースをパズルのように枠にはめ込んでポーションを調合する画面

調合システムはちょっとしたパズルゲームになっていて、ブロック状のピースになった素材を枠の中にピッタリはめ込んでいくルールです。
素材によって形や属性(火・水・風・土)が異なるため、「どの素材を組み合わせれば綺麗にマスが埋まるか?」を考えるのが地味にクセになります。

さらに、治療や日々の挨拶を重ねることで、村人たちとの友好度がぐんぐん上がっていきます。
最初は主人公に対してあからさまに敵意を向けていた住民たちが、次第に心を開いて個別イベントが発生し、さらには自宅やクリニックの設備、村の荒れ果てた施設までどんどん豪華に修繕されていきます。
農業や過酷な時間管理に追われることなく、「採取・調合・治療・交流」の気持ちいいサイクルだけをテンポよく楽しめるのが本作最大の魅力です。

没入感(17/25点)

まず画面を見た瞬間に心を掴まれたのが、隅々まで丁寧に描き込まれたドット絵の温かさです。
キャラクターの豊かな仕草はもちろんのこと、主人公は言葉を発しない無口系キャラでありながら、頭上にピコピコと浮かぶ吹き出しの表情アイコンで感情がダイレクトに伝わってきます。
個人的にグッと刺さったのが、ゲーム内のテキストフォントまでもがレトロなドット文字で統一されている点です。
世界観の雰囲気を壊さないこだわりが感じられて、画面を見ているだけでもなんだかほっこりした気持ちになれました。
BGMも過度に主張しすぎず、作業や散策の邪魔にならない心地よい耳触りで、長時間プレイしていても全く疲れません。

そして何より引き込まれたのが、ストーリー序盤からの村人たちとの関係性の変化です。
実はこの村、過去に都会の薬師が引き起こした大事故のせいで、外から来た薬師に対してものすごい不信感とアレルギーを持っています。
主人公自身は何も悪くないのに、赴任初日は住民たちから露骨に冷たくあしらわれ、挨拶すら冷たく返されるという完全な「マイナススタート」から始まります。
ですが、誠心誠意患者と向き合い、どんなに嫌味を言われても治療を続けていくうちに、頑なだった村人たちの態度が目に見えて柔らかくなっていくのです。
信頼を勝ち取って村中から感謝される存在へと成り上がっていく過程は、遊んでいて本当に胸が熱くなりました。

広場に集まった村人たちと村の復興を喜ぶシーン

登場人物の個性付けも素晴らしいです。
全村人(なんと町にいる猫まで!)にしっかりとした個別ストーリーとイベントが用意されていて、イベントをこなすたびに彼らの意外な素顔や悩みが明かされていきます。
仲良くなれば一部のキャラクターとは同性・異性を問わずに恋人関係になることも可能です。
ちなみに個人的には、いつも町を守るために筋トレに励んでいる熱血警察官のキャラがお気に入りだったのですが……残念ながら恋愛対象外キャラで膝から崩れ落ちました(笑)。
それでも、全キャラクターの友好度を最大値まで上げ、見られる個別イベントをほぼ全て網羅してしまうくらい、住人たちへの愛着が湧きました。

一方で、明確に惜しかったのが「診察時のミニゲーム」です。
患者の痛む部位を特定する際に、リズムゲームのようなものや方向キーの記憶ゲームが発生するのですが、これが正直なところあまり面白くありませんでした……。

診察時に発生するリズム形式のミニゲーム説明画面

失敗する方が難しいくらい難易度が低いため緊張感もなく、それでいて毎回挟まれるのでテンポが崩れ、夜にプレイしていると強烈な眠気を誘われます。
これだけ素晴らしいキャラクターたちが揃っているのだから、単調なミニゲームではなく会話のやり取りを通じて症状を聞き出すようなシステムだったら、もっと診察パートに没入できたのにな、と感じてしまいました。
また、トロフィー条件に「診察を10回失敗する」という項目があり、プラチナのために苦しんでいる村人をクリニックのベッドで何日も放置し続けなければならなかった時は、せっかく築いた愛着も相まってめちゃくちゃ心が痛みました(笑)。
マイナス面はありつつも、それを補って余りあるキャラクターと町の再生ストーリーの良さがあり、十分満足できる17点です!

コモル
コモル

最初はあんなに塩対応だった村長や住民たちが、イベントを重ねるごとにデレていく過程は本当に最高でした……!

システム(12/25点)

システム面は全体的に非常にシンプルで、操作やUIに迷うような部分はほとんどありません。
画面の切り替えやマップ移動時のロードも一瞬で、PS5版ということもあって待たされるストレスは皆無でした。
一度見つけた採取素材の位置がフィールドマップ上にアイコンでマッピングされる機能や、住民ひとりひとりのプロフィールが細かく図鑑に記録されていく仕様は親切で遊びやすかったです。

ただ、プレイフィールを地味に削いでくる粗削りな部分や不満点もいくつか目立ちました。
まず気になったのが、主人公の基本的な移動速度の遅さです。
各所にファストトラベル用の標識が用意されているので致命的ではないものの、町の中を移動する機会が多いためもう少しダッシュ速度が速くてもよかったかなと思います。
連続で回避ローリングを繰り出すことはできるのですが、ローリングの終わりに一瞬立ち止まる硬直が入るため、転がり続けても移動速度は全くアップしません(笑)。

そして何より困らされたのが、釣りの挙動バグです。
私のプレイ環境依存なのかPS版特有の現象なのかは分かりませんが、釣りを始めるとリールが勝手に全力で巻き続けられ、力の加減ができなくなって確実に糸が切れてしまうという症状に何度も遭遇しました。
この症状が発生するとゲームアプリを再起動するまで直りません。
再起動すれば一時的に復旧するのですが、忘れた頃にまた再発します。
しかも本作のセーブ仕様は「自宅のベッドで寝た時のみ」のオートセーブ形式なので、日中にバグが起きても任意のタイミングですぐ手動セーブして再起動することができず、次の日まで諦めるしかありませんでした。
この「釣りバグ」と「どこでもセーブできない仕様」のコンボはなかなかにストレスでした。

ここだけ注意!序盤のつまずきポイント

本作で最も注意したいのが、相棒である「犬のコマンド(R2ボタン)」の存在です!
村人たちは時間帯や曜日によって町中を自由に動き回るため、「イベントを起こしたいのに目当てのNPCがどこにいるか分からない!」という事態に必ず陥ります。実は、屋外でR2ボタンを押して犬を呼び、近づいてメニューを開くと、指定したNPCの元まで犬が先導して案内してくれる超神機能が備わっています。
しかし、この便利機能のチュートリアルは、なんと自力でこの操作を発見した後に初めて表示されるという罠仕様になっています……!さらに、犬のごはんやスキンシップもこのR2コマンドから行うため、これに気づかないと愛犬がお腹を空かせてしょんぼりし続けるという悲劇が起きます。屋外に出たらまずR2を押して、愛犬コマンドをフル活用しましょう!

致命的な進行不能バグはないものの、セーブの不便さや案内導線の不親切さ、釣りの不具合などが惜しく、基準としては可もなく不可もなしの12点となりました。

コモル
コモル

犬コマンドの存在に気づくまで、愛犬のお腹を鳴らしたまま放置してしまっていたのが今でも申し訳ないです……。

やり込み要素(16/25点)

ゲームを進めていくと、町の掲示板や住人から無数の依頼が舞い込み、クエストが渋滞を起こします。
ですが、それらの頼まれごとを解決するためにあちこち走り回っているうちに、自然と採取素材が集まり、行けるフィールドが広がり、お金が貯まって大釜や道具のアップグレード、自宅の増築などがテンポよく進んでいきます。
「あれをやるためにこれを集めて……」と動いているうちに、ゲーム内のすべての要素を満遍なく遊び尽くせる設計になっており、作業ゲー好きとしては止め時を見失う楽しさがありました。

序盤の修理が必要なボロボロの調合室
豪華に設備が整えられた自宅の調合室

ただ、一部のシステムには「存在理由が薄いかな?」と感じる要素もありました。
その代表格が「料理」です。
レシピはたくさん用意されていて、作れば体力やスタミナを回復できるのですが、本作には村の「銭湯」という神施設が存在します。
1日1回銭湯のお風呂に浸かるだけでスタミナが全快し、丸一日フルで活動できてしまうため、トロフィー獲得の目的以外で台所に立って料理を作る必要性を全く感じなくなってしまいました。
診察ミニゲームの単調さも含め、やり込みの奥行きという面ではやや底が浅い部分も見受けられます。

とはいえ、トロフィー攻略という観点では非常に優秀で遊びやすい設計になっています。

  • クリア時点の取得状況:38/38(プラチナトロフィー獲得済み)
  • プラチナトロフィーの難易度感・所要時間の見込み:難易度は低い。普通に遊んで40時間強、トロフィーだけを効率的に狙えば30時間ほどでコンプ可能。
  • 取り逃し(時限)要素の有無:なし

取り逃したら最初からやり直しになるような時限トロフィーは一切ありません。
最後まで安心して自分のペースで進められます。
ちょっとした稼ぎが必要になる「ローリング1000回」も、部屋の壁に向かって無心で前転し続けるだけでサクッと達成できますし、前述の「治療10回失敗」もクリニックを数日スルーするだけで終わります。
時間を溶かしすぎずに「綺麗に完全クリアした!」という達成感をしっかり味わえるため、やり込み評価は手堅く16点としました。

コモル
コモル

時限要素に怯えることなく、好きな順にクエストを片付けられる気楽さが最高でした!

コスパ(価格とプレイ時間)(23/25点)

※当ブログでは「購入価格÷100=損しないプレイ時間」を基準にしています(例:2,000円なら20時間遊べれば元が取れた、と考えます)。

コスパに関しては、文句なしの満点近い点数です!
本作の定価は1,980円(私はセールを利用して1,386円で購入)ですが、クリアおよびプラチナトロフィー獲得までにかかった総プレイ時間は約44時間でした。
当ブログの基準に照らし合わせると、定価の1,980円でも「20時間」遊べれば元が取れる計算になりますが、その倍以上となる44時間もみっちりと楽しませてもらいました。

最近のゲームはフルプライスで8千円〜1万円を超える大作も多い中、2千円でお釣りが来るインディー価格でこれだけ多くのイベント、魅力的なNPC、中毒性のあるループを味わえるのは破格と言わざるを得ません。
「次の大作までの暇つぶしになればいいや」くらいの軽いノリで購入したのですが、良い意味で期待を大きく裏切ってくれました。
セール時はもちろんのこと、定価でそのまま買っても十二分にお釣りが返ってくる納得のボリューム感ということで、23点の最高クラス評価を付けました!

コモル
コモル

2,000円以下で40時間以上も熱中できるなんて、お財布に優しすぎて開発元に感謝しかありません(笑)。

こんな人におすすめ/合わない人

こんな人におすすめ

  • 牧場物語やルーンファクトリーのような生活系ゲームが好きだけど、100時間超えの特大ボリュームには気後れしてしまう人
  • 日々のルーティン作業やパズル調合をコツコツこなすのが大好物な作業ゲー好き
  • PlayStation Portalや携帯機を使って、ベッドでごろごろ寝転がりながらリラックスして遊びたい人

こんな人には合わない

  • 何百時間もかけて果てしない農場経営ややり込み、ダンジョン深層攻略を楽しみたいハードコアな生活シム勢
  • 単調なミニゲームや、おつかい形式のサブクエストをこなすのが退屈に感じてしまう人
  • 任意のタイミングで自由にセーブできないと落ち着かない人

あのゲームが好きなら

もし本作の「住人との交流を深めて町を再生していく空気感」に惹かれたなら、間違いなくおすすめなのが『牧場物語 Let”s!風のグランドバザール』です。
あちらはフルプライス作品ということもあって、ボイスの存在や結婚システム、本格的なバザー経営など、交流とやり込みの深さは一段上ですが、「住民と仲良くなるのが何より楽しい!」という根底のプレイフィールは非常に近いものがあります。

【牧場物語 Let”s!風のグランドバザール】のレビューはこちら

『Potion Permit』は、そうした名作牧場系タイトルの濃密なエッセンスを、ギュッと食べやすいサイズに濃縮した「ライト版スローライフRPG」とも言える立ち位置です。
重たすぎるゲームに疲れた時のデトックスとしてもぴったりですよ。

総評:コモルおすすめ度68点

『Potion Permit』のコモル的総合評価は、100点満点中【68点】となりました!

釣りの挙動バグや、夜の就寝時しかセーブできない不便さ、そして診察ミニゲームの単調さなど、インディー作品らしい粗削りな部分があるのは事実です。
ですが、それらの不満点を大きく上回る「ドット絵の可愛さ」「嫌われ薬師からの胸熱なサクセスストーリー」、そして「全住民を愛せる丁寧な個別イベント」がぎゅっと詰まっていました。

何より、大作生活シムのように「やることが多すぎて忙殺される」というストレスがなく、約40時間というちょうどいいカロリーで最後まで気持ちよく遊びきれるまとまりの良さは、社会人のゲームライフにも本当にありがたい設計でした。
2千円前後で手に入るゲームとしては驚くほど満足度が高く、セールを待たずとも「定価でも買い!」と胸を張っておすすめできる良作です。
まったりとした田舎町で、かわいい愛犬をお供にポーション作りの生活を始めてみてはいかがでしょうか!

画像はゲーム内スクリーンショットです。
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