【ゲームレビュー】Leafy Corner | 植物屋さんは意外と忙しい(総プレイ時間10時間)

Leafy Corner ゲームレビュー アイキャッチ画像

『Leafy Corner』は、小さな植物屋さんの店主になって、観葉植物を育てて、売って、店内を好きに飾っていくゲームです。1,210円という価格を思えば作りは丁寧で、緑で埋まっていく店内はちゃんと気持ちいい。ただ、経営ゲームとしては手ごたえが薄く、癒されたいと思っても水やりと接客でなかなか手が空かない……。プラチナトロフィーを気軽に1個増やしたい人には迷わずおすすめできますが、それ以外の動機で買うと、10時間で「あれ、もう終わり?」になるタイプでした。

項目点数
没入感12/25
システム12/25
やり込み要素11/25
コスパ15/25
総合50/100

基本情報

タイトルLeafy Corner
発売日2026年7月30日
開発元Fireline Games
定価1,210円(購入価格:1,210円/定価購入)
対応機種PS5/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC
日本語対応あり
クリアまでのプレイ時間約10時間

どんなゲーム?

舞台は街角の小さな植物屋さん。プレイヤーはその店主です。棚を置いて、鉢を並べて、種を植えて、水をやる。育った植物が商品になって、お客さんが買っていく。基本ループはこれだけです。

面白いのは、公式のストア説明文に「このゲームにないもの」がわざわざ書いてあること。本格的なショップ経営、高度な植物の育成、ストーリー。この3つは入っていませんよ、と最初から宣言しているんですね。実際に遊んでみると、これが謙遜でも予防線でもなく、まったくそのとおりでした(笑)。ちなみにPS5だとゲーム情報を開いて下までスクロールしないと出てこない位置なので、買う前にはけっこう見落としやすい一文です。

やることは、お客さんの要望に合う植物を案内して、電話注文をこなして、貯まったお金とリーフコインで新しい植物や家具をアンロックしていくこと。それを続けるとお店の評判レベルが上がって、また新しい要素が開きます。評判レベルは6が上限で、そこに届く頃には資金にもかなり余裕ができています。

植物は100種類以上あって、育てているとまれに変種が出ます。気に入った株には売却ロックをかけて、株分けで増やしていける。ここは植物のお店ならではで、ちょっとうれしいポイントでした。

そして本作の主役は、たぶん植物そのものより店内装飾です。棚、小物、照明、ポスター、ラグ……アンロックされる装飾品はかなりの数があって、私の10時間のうち半分以上はここに溶けました。

序盤の植物屋さんの店内。棚と鉢がまばらに並ぶDAY18の様子

没入感(12/25点)

まず、ゲーム開始時に軽いキャラクタークリエイトがあります。あるんですが……主人公はレジの前に立っているだけで、こちらが操作することはありません。店名をつけることも、主人公に名前をつけることもない。だから「自分の店」という感覚が育つ前に、ずっと他人事のまま終わってしまう感じでした。

会話も、ほとんどありません。お客さんは要望を出してくるので、それに合う植物を案内する。やりとりはそこで完結です。仲良くなる常連もいないし、記憶に残るイベントも起きない。ストーリーがないことは公式が先に言っているので、そこを責める気はないんですが、代わりの引っかかりも用意されていないのは正直さみしいところです。

BGMは、これといって印象に残るものはありませんでした。ただ本作は経営ゲームというより雰囲気ゲームなので、曲でテンションを上げにくる方がむしろ邪魔になる。主張しないBGMという意味では、これで正解だと思っています。

唯一、はっきり覚えている光景があります。お店の隣の建物の窓に、ときどき猫が出てくるんです。ニャーと鳴いて、しばらくそこにいてくれる。本当にそれだけ。それだけなんですが、10時間遊んで「一番記憶に残った場面は?」と聞かれたら、私はこの猫を挙げます。逆に言えば、それ以外に挙げるものが見つからなかった、ということでもあります……。

コモル
コモル

猫の話しかできないの、われながらどうなんだと思います。でもあの子、ちゃんとかわいいんですよ。

システム(12/25点)

操作はシンプルで、迷うところはほとんどありません。特に良かったのが、家具や鉢を置くときにR1を押すだけでグリッド吸着のオン・オフを切り替えられること。きっちり整列させたいときと、あえて斜めに崩したいときを、ワンボタンで行き来できます。地味ですが、装飾がメインになるゲームでこれは効きました。

一方で、時間を止められないのが最大の不満でした。植物は時間を進めないと育たない仕様なので、ゲーム内の時間は基本的に流れっぱなし。つまり、店内装飾だけをじっくり考えたいときも、水やりから解放されないんです。

一応、植物が枯れない設定は用意されています。ただ、これをオンにしていても水が足りなくなってくると、葉が茶色く変色してくる。枯れはしないけれど見た目は傷むので、結局は水やりに戻ることになります。植物屋さんなんだから植物を育てるのが本分だろう、と言われればそのとおりなんですが……最初から成長済みの植物を置けて、水やり不要で元気なままの「装飾専念モード」があれば、もっと凝れたのにな、と何度も思いました。

あと、アンロックされた植物が増えてくると、目当ての1種を探すのが地味に大変になります。「ペットに安全」「育てやすい」といったタグは付いているのに、並べ替えは植物のサイズしかできない。私のように植物に詳しくない人間ほど、見た目や名称でピンと来れずに詰まります。ソート条件はもう少し増やしてほしかったところです。

なお、お店を閉店状態にすればお客さんは入ってきません。接客だけは止められるので、装飾に集中したいときはとりあえず閉めるのがおすすめです。

つまずきポイントとしては、敷地面積を広げられることにしばらく気づいていなかったのが痛かったです。お店の外に、ドルマークの描かれた看板が立っています。これを調べると、お金を払って敷地を拡張できるんですね。私はこれを見落としていて、狭いスペースのまま、売らずにロックした変種と株分け用と電話注文用を全部やりくりしようとして、苦しい時間を過ごしました。開店したら早めに外を一周見回してみてください。

コモル
コモル

装飾専念モード、本当にほしかった。水やりに追われながら棚の位置を数センチ動かす作業、けっこうシュールですよ。

やり込み要素(11/25点)

正直に言うと、ハマる前にゲームが終わってしまった印象です。

進め方はずっと一本道で、評判レベルの上昇条件を確認しながら、変種の出る植物を中心に育てて売って、お金とリーフコインを貯めて、新しい植物や装飾をアンロックしていく。それを繰り返していれば、気づいたときには評判レベルが上限の6に届いています。そしてその時点で、お金もリーフコインも余ってくるんですね。

余ったところで好きな装飾品を買い込んで、店内を作り込んで、満足して終了。それが私の10時間でした。装飾系のトロフィーもあるので、飾り始めたあたりでトロフィーの方も勝手に埋まっていきます。

トロフィーの状況はこちらです。

  • クリア時点の取得状況:27/27(コンプリート)
  • プラチナの難易度感:狙う気がなくても取れてしまうレベル。5~7時間程度
  • 取り逃し・時限要素:なし
装飾を作り込んだ終盤の店内。棚や照明、ポスターで緑があふれる様子

植物を育てるのが本当に好きな人なら、種類ごとの水量や成長速度の違い、その裏にあるこだわりに気づけるのかもしれません。ただ、サボテンすら育てたことがない私には、そこまで踏み込む取っかかりがありませんでした。多種多彩な植物をずらっと並べられること自体は、素直に楽しかったんですけどね。

コモル
コモル

プラチナ、装飾で遊んでいたら勝手に鳴りました。トロフィー通知で気づくパターン、久しぶりです。

コスパ(価格とプレイ時間)(15/25点)

※当ブログでは「購入価格÷100=損しないプレイ時間」を基準にしています(例:2,000円なら20時間遊べれば元が取れた、と考えます)。

購入価格は1,210円、定価で買いました。当ブログの基準に当てはめると、元を取るには12時間ちょっと遊べればいい計算になります。対して私のプレイ時間は10時間。惜しいところで、ぎりぎり届いていません。

ただ、これを「損した」と言い切るのも違う気がしています。1,200円ちょっとという絶対額はやっぱり安いし、その価格帯の作品としてグラフィックも植物の動きも十分に丁寧です。何より、プラチナトロフィーが確実に1個増える。トロフィー収集が趣味の人にとっては、この時間対効果はかなり良い部類だと思います。

逆に、経営を楽しみたい人や、装飾をとことんやりたい人にとっては、10時間ぶんの満足がそのまま返ってくるかというと微妙なところです。目的がはっきりしている人ほど得をして、なんとなく癒されたくて買う人ほど肩透かしを食らう。そういう値段の付き方をしているゲームだと思います。

コモル
コモル

文句を言おうとすると、値札を見て黙る。この価格に助けられている部分は、確実にあります。

こんな人におすすめ/合わない人

おすすめできるのはこんな人です。

  • プラチナトロフィーを効率よく集めている人
  • 屋内で観葉植物を育てるのが趣味の人
  • 緑だらけの部屋づくりを、一度試してみたい人

逆に、合わないのはこんな人だと思います。

  • 経営シミュレーションとしての手ごたえを求める人
  • まったり癒されたい人(思ったより忙しいです)
  • じっくり長く遊べる1本を探している人

あのゲームが好きなら

いちばん近いのは、以前レビューした『Weeb Store Simulator』(70点)だと思います。お店を経営しながら店内を作り込んでいく流れはほとんど同じで、遊んでいる時間の使い方もよく似ています。それでも点数には20点の差がつきました。理由ははっきりしていて、棚に並べるものが自分の好きな対象かどうか。あちらは陳列しているだけで楽しかったんです。こちらは植物が私に刺さってこなかった。その差が大きく影響した数字だと思っています。

もうひとつ、『Tavern Manager Simulator』(58点)とも並べておきます。あちらは注文と配膳に追われ続ける作品でしたが、忙しさの先に「店が回っている」手ごたえがありました。Leafy Cornerは忙しさだけは同じくらいあるのに、その先が薄い。同じ棚に並べるなら、経営の歯ごたえならTavern Manager Simulator、店づくりの満足感ならWeeb Store Simulator、トロフィーと見た目の心地よさならLeafy Corner、という住み分けになりそうです。

総評:コモルおすすめ度50点

没入感12点は、キャラも物語も会話もない構造上、どうしても伸ばしようがありませんでした。システム12点は、R1のグリッド切り替えという良い工夫がある一方で、時間を止められない仕様と装飾専念モードの不在が最後まで重かったです。やり込み11点は、ハマる前に全部開ききってしまう底の浅さ。コスパ15点は、基準時間にわずかに届かないものの、価格の安さとプラチナで踏みとどまった、というところです。

厳しめの点数になりましたが、これは「ダメなゲーム」という意味ではありません。やりたいことがはっきり決まっている人には、はっきり刺さるタイプです。プラチナを1個増やしたい人、植物が好きな人。そこに当てはまるなら、この価格で止める理由はないと思います。

それ以外の方は、セールのタイミングを待つのがおすすめです。もう少し安く手に入れば、私が気になった部分もだいぶ許せるようになるはずですし。……いつか装飾専念モードが追加されたら、そのときはもう一度お店を開きに戻ります。あなたの理想の植物屋さん、どんな棚から並べてみますか?

画像はゲーム内スクリーンショットです。
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