ストーリーも接客での会話もないけれど、空っぽの店をオタクの楽園に育てていく時間が、とにかく楽しい一本でした。深い経営戦略よりも、自分好みの店内をひたすら作り込む「箱庭づくり」を味わいたい人にこそ刺さるゲームです。激安で買えるのに、気づいたら29時間……コスパお化けでした!
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 没入感 | 15/25 |
| システム | 16/25 |
| やり込み要素 | 16/25 |
| コスパ | 23/25 |
| 総合 | 70/100 |
基本情報
| タイトル | Weeb Store Simulator: Supermarket Together |
| 発売日 | 2025年12月12日 |
| 開発元 | Age Zero S.R.L. |
| 定価 | 990円(実際の購入価格:PSセール時 693円) |
| 対応機種 | PS5(ほかにSteam版あり) |
| 日本語対応 | あり(音声なし・テキスト表示) |
| クリアまでのプレイ時間 | 約29時間 |
どんなゲーム?
小さな空き店舗からスタートして、ゲーム・おもちゃ・マンガを扱う「WEEB(オタク文化愛好家)」向けのショップを経営するゲームです。商品を仕入れて棚に並べ、お客さんに売り、その利益で店を広げていく……という、王道の経営シミュレーションの流れになっています。
ただ、このゲームの面白いところは、単なる小売シミュレーションではないという点。「自分の好きな空間を作る」要素がかなり強いんです。利益を出すこと自体はそれほど難しくないので、稼いだお金をどんどん店内の装飾に回していけます。定価でも1,000円程度で購入できる手軽さも、大きな魅力のひとつですね。

空っぽな店内。オタクショップ経営の第一歩は、ここから始まりました。

そして、こちらが育てたあとの店内。広々としたフロアに商品もぎっしりで、おしゃれな街並みに見合うお店になりました。この「ビフォーアフター」を自分の手で作れるのが、本作のいちばんの醍醐味です。
没入感(15/25点)
ストーリーは皆無です(笑)。ただただ商品を売って、店を大きくして、自分好みに仕上げていくゲームです。グラフィックとBGMもとくに印象に残るほどではありませんが、このゲームの目的に対しては十分なクオリティだと思います。
意外だったのが、人物のモデリングがしっかりしていたこと。補充係やレジ係といったスタッフも、人数分ちゃんと別のモデルが用意されていて、コピペ感がないのが好印象でした。視覚的にも楽しく運営できます。また、ゲームハードやゲームタイトル、おもちゃやコミックにも元ネタがあるようで、そういうところにWeeb愛が感じられるのがいいですね。
一方で、お客さんやスタッフとの交流は一切ありません。お客さんのバリエーションはそれなりにありましたが、おもちゃを扱っているのに子どもが来店せず、ご高齢のお客さんもいなかったのはちょっと気になりました。オタクショップという設定上そういう年齢層は来ない、ということなのかもしれませんが……いかにも子ども向けなおもちゃもあるので、そこは少し惜しかったです。
そして何より、利益を出すこと自体は難しくないぶん、店内の装飾に思う存分時間を費やせます。柱や壁の追加、壁紙や床のテクスチャ変更も可能で、好みの空間を追求していると時間が溶けていきます……(笑)。物語で引き込むタイプの没入感ではありませんが、「自分の店を作り込む」という意味での没入感は、しっかりありました。

気づけば壁紙選びだけで小一時間……経営そっちのけで、ひたすら内装をいじってました(笑)。
システム(16/25点)
安価なゲームですが、目立つバグはほぼありませんでした。商品数が最終的にかなり多くなるので、ステータス画面から一括で仕入れや価格変更できるシステムがあるのは本当に助かりました。さらに、雇えるスタッフの動きが優秀で、経営がほぼ自動化できてしまうので、全体的なストレスはかなり低めです。
ここで、これから始める人向けに「プレイ中のつまずきポイントと対処法」をいくつか挙げておきます。
ひとつ目は、商品一覧のスクロール。一番上を選択しているときに「上を押すと一番下に飛ぶ」という仕様がなく、大量の商品をひたすら下へスクロールしていくしかないのが地味に不便でした。対処法は……正直、これといった決め手はありませんでした(笑)。ただ、商品は在庫の多い順に並んでくれるので、私は「在庫が20を切ったものは中身を確認せず機械的に発注する」というやり方で回していました。ひとつひとつの商品を把握するより、この割り切りのほうがラクでしたね。
ふたつ目は、倉庫まわり。倉庫の商品をしまう位置を固定できず、毎回どこに何があるか探しがちでした。こちらも、きっちりした対処は難しいところ。理屈のうえでは、新しく仕入れた商品を補充係に触らせず、自分で好きな棚に入れて、その在庫を切らさないようにすれば位置を維持できます……が、商品数が増えてくると、いちいち補充係の動きを止めるほうが手間かもしれません(笑)。私は途中からあきらめて補充係にまかせ、パソコンのように店頭で品切れしがちな商品が倉庫のどこにあるかを覚えるほうを選びました。結局、そのほうがラクでしたね。
みっつ目は、スタッフルームの便利ツール。実は便利な管理ツールが用意されているのに、ゲーム内で一切アナウンスがなく、しばらく存在に気づきませんでした。スタッフルーム自体が店から少し遠い場所にあるので、経営に集中しているとつい忘れがちなんですよね。お金に余裕が出てきたら、スタッフルーム入口の正面にある「段ボール箱のストック」だけでも先に解放しておくと、ぐっと楽になります。ここも特にアナウンスはないので、とにかく自分から動いて覗きにいくのが大事です。
細かい部分で「あれ?」となる場面はちょくちょくありましたが、致命的なものはなく、自動化のおかげで遊んでいて快適なのは間違いありません。

商品一覧、せめて一番上で上を押したら最後尾に飛んでほしかった……地味に効くんですよ、これ。
やり込み要素(16/25点)
全ての商品解放を目指せば、その過程でトロフィーもほぼ全部集まる仕様になっています。店内装飾を楽しんでいるうちに、自然と商品解放とプラチナトロフィー獲得まで目指せるのは、嬉しいポイントです。
最後に残ったトロフィーが「Dexeiver(セント単位でお釣りを少なく渡す)」というものだったんですが、これは私が効率重視で、セント単位のお釣りが発生しないよう価格設定していたせいで取りづらかっただけの話でした(笑)。逆に言えば、この1個以外は全商品解放を目指していれば、とくに狙わなくても自然に埋まっていきます。
トロフィー情報をまとめておきます。
- 取得状況:クリア時点で17/17(コンプリート)。プラチナも取得済みです
- プラチナ難易度:易しい。全商品の解放を目指していれば、ほとんどのトロフィーは意識せずに手に入ります
- 所要時間:基本的にはクリア時間とほぼ同じ。私は店内装飾にもかなり時間をかけたので、プラチナだけを狙うならもっと短時間で取れるはずです
- 時限(取り逃し)要素:なし
苦労らしい苦労もなく取れたので、プラチナ目当てで手に取る人にもおすすめできます。

最後のトロフィーが取りづらかった原因、まさかの自分の値付け……完全に自業自得でした(笑)。
コスパ(価格とプレイ時間)(23/25点)
※当ブログでは「購入価格÷100=損しないプレイ時間」を基準にしています(例:2,000円なら20時間遊べれば元が取れた、と考えます)。
購入金額はPSセール時で693円。総プレイ時間は29時間でした。当ブログの基準でいえば、693円なら7時間ほど遊べれば元は取れた計算になります。それが気づけば29時間……基準の4倍以上です。これはコスパとしては、めちゃくちゃ優秀と言っていいでしょう。
定価で買ったとしても1,000円前後なので、損をする心配はほぼありません。店づくりにハマればハマるほどプレイ時間が伸びていくタイプなので、内装の作り込みが好きな人ほどコスパは跳ね上がります。

7時間で十分元が取れる計算が、まさかの4倍以上。これはもう、優勝です!
こんな人におすすめ/合わない人
こんな人におすすめ
- 自分のペースで、まったり店づくりを楽しみたい人
- 内装や装飾を好みに作り込む「箱庭づくり」が好きな人
- とにかく安く、長く遊べるゲームを探している人
合わない人
- 価格設定や仕入れなど、歯ごたえのある深い経営戦略を求める人
- お客さんやスタッフとの交流・物語を期待している人
- 「アニメイトのような日本のオタクショップ」をそのまま再現したい人
あのゲームが好きなら
同じ「経営シミュレーション」の棚に並べるなら、当ブログでレビューした『Tavern Manager Simulator』が近い位置にいます。あちらは酒場、こちらはオタクショップと題材は違いますが、「小さな拠点をコツコツ大きくしていく手触り」や、ルーチンを回す気持ちよさは共通しています。
ただ、本作のほうが装飾の自由度が高く、店づくりそのものを目的にして遊べるのが個性です。経営の歯ごたえより「自分の城を育てる楽しさ」を重視するなら、こちらのほうが合うかもしれません。
総評:コモルおすすめ度70点
1,000円程度のゲームでこれだけ遊べれば、個人的にはめちゃくちゃおすすめできます。経営ゲームとしての難易度は低めですが、店舗運営と店内装飾の両方を楽しめる、バランスのいい一本でした。
ひとつ正直に言うと、「アニメイトみたいな店を経営できる」と思って買ったので、その期待とはちょっとズレていました。アニメキャラのグッズや声優のCD、ブルーレイ……といった、いわゆる日本のオタクショップとは少し認識が違ったんですね。
でも、最終的にはゲオっぽい店内を再現することができて、これはこれで楽しかったです!値段を考えれば文句なし。セールで手に取りやすいタイミングも多いので、店づくりにじっくり浸ってみたい方は、ぜひ自分だけのオタクショップを育ててみてください!
画像はゲーム内スクリーンショットです。
©Age Zero S.R.L.

