【ゲームレビュー】Tavern Manager Simulator | ファンタジー酒場ワンオペ経営、約28時間の総評

Tavern Manager Simulator ゲームレビュー アイキャッチ画像

「酒場を育てる過程が楽しい」——それだけを求めてプレイするなら、しっかり応えてくれるゲームです。ただし日本語の文字化けという現時点での欠陥があり、快適さを求める方にはおすすめしにくい。作業ゲー・経営ゲーが好きで、多少の不便も気にしないタフな方向けのタイトルです。

項目点数
没入感14/25
システム13/25
やり込み要素14/25
コスパ17/25
総合58/100

基本情報

項目内容
タイトルTavern Manager Simulator
発売日2026年2月6日(PS5版)
開発元One More Time
定価3,080円(PS5版)
購入価格約2,000円(セール時)
対応機種PS5 / PC (Steam) / Xbox One / Xbox Series X|S
日本語対応あり(一部文字化けあり)
クリアまでのプレイ時間約28時間(ゲーム内70日)

どんなゲーム?

ファンタジー世界の寂れた酒場を再建する、一人称視点の経営シミュレーションゲームです。プレイヤーは酒場のオーナーとなり、掃除・接客・調理・設備投資のすべてをワンオペでこなしていきます。

ゲームの基本ループはシンプルです。お客さんの注文をさばきながら稼いだお金で設備を拡張し、より多くのお客さんを迎えられるようにしていく……というサイクルを、ひたすら繰り返します。後半になると妖精さんを雇って料理や補充を任せることもできますが、品質は下がるため「全部自分でやりたい!」という欲が出てくるのも、このゲームの特徴です(笑)。

Tavern Manager Simulatorのゲーム開始時の寂れた酒場の様子

スタート直後は小さな平屋からのスタート。これが……

約28時間プレイ後に成長した立派な酒場の内装

約28時間・ゲーム内70日後には、こんなに立派な酒場に育ちました。この成長が見えるのが、本作最大の魅力です。

序盤は「ごみを片付けて、お客さん3人接客する」レベルのタスクから始まり、段階的に要素が解放されていきます。覚えることが増えてくる中盤以降は、いかに動きを無駄なく組み立てるかを考えるのが楽しくなってくる——そういうゲームです。

没入感(14/25点)

ストーリーは……特にありません!いきなり酒場に放り込まれて「はい経営してね」というスタイルなので、世界観への引き込みはほぼなし。グラフィックもBGMも、シミュレーションゲームとして遊ぶには十分なクオリティですが、「これ目当てで買う」レベルではないかな、というのが正直なところです。

印象に残ったのは、経営が進んで酒場にミュージシャンが来てくれるようになってからのBGM。生演奏っぽい雰囲気のある曲がいくつかあって、酒場の賑わいとよく合っていました。

お客さんのキャラクターは進めるごとに種類が増えていきますが、ちょっと話ができる程度で、交流らしい交流はなし。いかにも洋ゲーらしい見た目です。妖精さんも光の玉なので、便利ではあるけれどキャラとしての個性は薄め。

酒場に訪れるお客さんの様子

ただ、例外的にかわいかったのが、工事現場で作業してくれる小さいゴブリンたち。動きがコミカルで、ずっと眺めていられる感じがしました(笑)。

工事を手伝ってくれるコミカルなゴブリンたちの様子

没入感という軸で見ると弱い部分が多いのですが、とにかく忙しいゲームなので、気づいたら自然とゲームに集中している——という没入の仕方はします。作業ゲーが好きな方なら、むしろ刺さると思います。

システム(13/25点)

操作自体は難しくなく、慣れれば快適に動けます。ただ、ダッシュなど便利な操作に関する説明がほぼないため、開始直後にコントローラーの各ボタンを一通り確認しておくことを強くおすすめします。知らずに進めると、後々「え、これできたの!?」となる操作がいくつか出てきます。

序盤のつまずきポイントとしてもう1つ挙げると、水の汲み上げ方が分かりづらいこと。自動汲み上げが解放された後も、今度は止め方が分からなくなる……という、説明不足が続く設計になっています。

そして最大のマイナスが、一部テキストの文字化けです。「□□□人と音楽家」のように、肝心な部分が四角い記号で表示されてしまい、何を読んでいるのかわからない場面が頻繁にあります。シミュレーションゲームなのでストーリーが追えなくても最終的にはなんとかなりますが、ストレスはかなりのものでした。日本語対応が売り文句のゲームでこれはちょっと……と感じます。

牧場物語など丁寧に作られた国産ゲームをプレイした後だと、この粗さが余計に目立ちます。

やり込み要素(14/25点)

ひたすら忙しいゲームではあるのですが、経営に深い戦略性があるわけではありません。レベルを上げ、要素を解放し、をくり返していけば、プレイに行き詰まる場面はほぼありません。

トロフィーはクリア時点で34/42を取得。残りはやり込み系のものになりますが、正直なところ「プラチナまでハマれたか」というと……そこまでは、かな(笑)。プラチナ難易度はそれほど高くないと思いますが、モチベーションが続くかどうか人によりそうです。

  • クリア時トロフィー:34/42
  • プラチナ難易度:低〜中程度と推定
  • 時限・取り逃し要素:確認できず(未検証)

スキルツリー系は購入形式で、進行に伴って解放できる設計のため、自然と埋まっていきます。クリア状態になると、王様が定期的に来店し、常に高クオリティの料理を用意しておく必要があるため、その維持で精一杯。やり込み要素をやり込む気力が薄れていく……というのが本音です。王様を相手にしなければいいのでしょうが、こういうゲームをやり込む人は、それは気持ち的に難しいのでは……、というのは私の勝手な見解かもしれませんが(笑)。

コスパ(価格とプレイ時間)(17/25点)

※当ブログでは「購入価格÷100=損しないプレイ時間」を基準にしています(例:2,000円なら20時間遊べれば元が取れた、と考えます)。

今回はセール時に約2,000円で購入。÷100で基準は20時間です。クリア後も少し遊んで総プレイ時間は28時間なので、基準はしっかりクリアしました。

PS5版の定価は3,080円。こちらの基準だと約31時間必要になるため、定価購入だとやや割高感が出るかもしれません。セールを狙って購入するのがおすすめです。

こんな人におすすめ/合わない人

おすすめ

  • 作業ゲー・経営ゲーが好きで、ひたすら忙しい展開を楽しめる人
  • ファンタジーな酒場を少しずつ育てる過程に楽しみを見出せる人
  • セールのタイミングを狙って購入できる人

合わない人

  • UI・テキスト周りの品質にこだわりがある人(文字化けがストレスになる)
  • 牧場物語やStardew Valleyのようなキャラクター交流・ストーリーを期待している人
  • 装飾・インテリアを極めたい人(家具の種類が少なく意欲が湧きにくい)

似ているゲームと比べると

ゲームの骨格だけ見れば、スーパーマーケットシミュレーターのような経営シムが近い存在です。「お客さんの対応をこなしながら施設を拡張していく」という作業ループの気持ちよさは共通しています。

一方で、本作はファンタジーな世界観を持ち、酒場の外に出て周辺を歩き回れたり、ちょっとした探索要素があったりと、純粋な経営シムよりもう少し広い世界感があります。お客さんが会話してくれる機能もあって、そういう要素が積み重なると、牧場物語のような「村のみんなと交流しながら経営を進めるゲーム」を自然と連想してしまうんですよね。

ただ、そこが本作の惜しいところでもあって……。せっかく多くのお客さんが来て、会話の機能まであるのに、文字化けで読めない・会話の内容に変化がないという二重のもったいなさがあります。「キャラクターと交流する楽しみ」を期待すると肩透かしになるので、あくまで「作業と拡張を楽しむゲーム」として割り切って遊ぶのが正解だと思います。

総評:コモルおすすめ度58点

良くも悪くも、とにかく忙しいゲームです。次々と現れるお客さん、馬の世話、ホテルの片付け、氷の準備……わりと必死にタスクをこなしていくので、常に先読みしながら「いかに時短するか」を組み立てる楽しさはあります。気づいたら時間が溶けていて、しかも疲れます(笑)。

店内装飾を凝りたい人は、営業を止めてじっくり取り組む時間を作ることもできます。ただ個人的には、家具の種類がそもそも少ないせいか、「装飾を頑張りたい!」という気持ちはあんまり湧かなかったかなあ……。

そして、やはり文字化けは明確なマイナスです。日本語対応を謳っているタイトルで、肝心なテキストが読めないのは正直きつい。この点が改善されれば、評価はもう少し上げられると思います。

それでも「ファンタジーな酒場を自分の手で育てたい!」という方には、楽しめる体験が待っています。定価だとやや割高感があるので、セールのタイミングを狙うのがおすすめです。気になっている方はセール情報をチェックしてみてくださいね!


画像はゲーム内スクリーンショットです。
©One More Time / Ultimate Games S.A.